便秘とは便(老廃物)が長期間溜まった状態

便秘とは、便(老廃物)が長期間腸内に溜まった状態のこと

便秘に共通の定義はありませんが、一般的に便(老廃物)が長期間、腸の中に留まる・排便が順調に行われない状態のことをいいます。

厚生労働省の公式HPには、次のように記載されています。

便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり排便が困難または排便がまれな状態をいいます。

排便時に苦痛を感じ、お腹が張る、腹痛があるなど日常生活にも支障をきたすなどの症状が出ます。
一言に便秘といっても、便秘のタイプには大きく分けて4つのパターンに分けられます。

機能性便秘(一番多い便秘のタイプ)

機能性便秘は最も多いタイプの便秘とされています。
生活習慣やストレスなどの影響を受け、大腸や直腸などの動きが乱れて起こるといわれています。

また機能性便秘の中も2種類のタイプに分けられます。

急性便秘(機能性便秘の種類)

大腸のぜん動運動が弱まることで、一時的に起こる便秘です。
一般的な便秘はこのタイプが多く、主な原因は下記になります。

  • お肉や揚げ物など、食物繊維(便の成分)が極端に少ない食事を摂り過ぎた場合
  • 水分量が少なく、体内の水分が不足し便が水分不足になった場合
  • 生活の変化や、旅行など一時的な環境変化で精神的ストレスが生じた場合
  • 寝たきりの状態が続き、腸の働きが低下した場合
  • 無理なダイエットにより食べる量が少ない場合

慢性便秘(機能性便秘の種類)

大腸の中に便が長い間留まっており、便通のない状態が日常的に起こる状態で、主にの4つのタイプに分類されます。

弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)
大腸はぜん動運動によって、便を少しずつ動かしながら直腸へと運びます。
大腸の運動と緊張が低下すると、大腸内の排泄物(便)の通過が遅い状態になり便秘の症状が出ます。
痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)
大腸内のぜん動運動に連続性が無く、便の通過に時間が掛かり起こるとされています。
ストレスや感情の起伏により自律神経が乱れ、特に副交感神経が緊張しすぎると起きやすくなります。
直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ)・習慣性便秘(しゅうかんせいべんぴ)
大腸内を運ばれてきた便が直腸内に入ると、直腸のセンサーが反応し便意を感じます。
そこでトイレに行くと、肛門括約筋が緩んで排便になるのです。
便意を習慣的に我慢していると神経の感度がにぶり、直腸内に便が入っても便意を感じなくなるとされています。
食事性便秘(しょくじせいべんぴ)
食物繊維が足りず偏った食生活を続けていると、腸壁に刺激がなくなり便秘になる事があります。
また過度なダイエットによる食事量の低下によって起きる場合もあります。

器質性便秘(腸そのものが病変)

器質性便秘は、便の通過が物理的に妨げられることによって起こるとされる便秘です。

大腸がんや手術後の癒着、潰瘍性大腸炎などによって、便が大腸内をスムーズに通過できずに起こります。
また、先天的大腸過長症などで腸の長さや大きさに異常が生じることでも便秘になります。

また女性の場合、直腸の一部が膣に入り込む「直腸瘤(ちょくちょうりゅう)」も、原因の一つとされています。

器質性便秘は原因となっている病気を治療すれば症状が改善されますが、先天的なものが原因となっている場合は、便秘の症状とうまく付き合っていく方法を考えなくてはいけないでしょう。

症候性便秘(病気の二次的症状)

症候性便秘は、病気が原因になり、主に二次的症状として現れる場合の便秘です。
甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症などの甲状腺の病気によって大腸内のぜん動運動が弱くなり、便秘になります。

また、他にも糖尿病やパーキンソン病など、全身性疾患の部分症状として現れる便秘もあります。

薬剤性便秘(薬の作用)

薬剤性便秘は薬の作用によって、排便しにくくなる便秘をいいます。

高齢者の場合、合併する心血管系疾患や消化器疾患、神経疾患など様々な疾患に対し薬が投与されており、これらは全て便秘の原因になる可能性があります。

例また抗うつ薬や抗コリン薬、制酸剤、医薬用麻薬には大腸のぜん動運動を抑えるとされ、副作用で便秘になるといわれています。

何日排便がないと便秘というか?便秘の定義

一口に便秘といってはさまざまな状態があります。
「何日も排便が無い」「便が固い」「残便感がある」など、人によって症状が違うのが特徴です。

また便の回数にも個人差があり、1日3回から3日に1回までは正常とされています。
基本的に1週間に排便の回数が3回未満の場合は便秘と定義されています。

ただし毎日排便があっても残便感があれば「便秘」とする場合もあります。
さらに「便が固い」「便が小さい」「いきんでも出にくい」「指でかきだす」「残便感がある」の中から2つ以上当てはまる場合も便秘とされる場合があります。

理想の排便は1日に1回、バナナ2本分の排便とされています。
便秘が続き、便(老廃物)が長期間腸の中にとどまると体調にもさまざまな影響が出るといわれています。

快適にな日々を過ごすには、上手に排便をコントロールする必要があるのです。

どんな生活を送っている人に便秘が多いか

日本大腸肛門病学会によると、便秘は若い人から高齢者までどの年齢層でも見られます。
全体的には、男性よりも女性の方が多いとされています。

女性は男性に比べ、10代の思春期頃から便秘になる人が多く、その後は一定し60代以降で再び増加します。

男性は若い頃には多くありませんが、60代以降になると女性と同じくらい便秘になる人が増えています。
下記は、国民生活調査による年齢別の便秘人口を表したグラフです。

年齢別便秘人口

便秘によって引き起こされる症状や危険性

『ただ排便が何日かないだけ』
『しょっちゅう便秘になるし大丈夫』
『下剤を飲めば平気』

と考える人も多いと思いますが、実は便秘になると様々な症状が引き起こされます。

  • 便が溜まっている感じがあるのに、いきんでも出ない
  • 毎回、下剤を服用しないと出ない
  • 常にお腹が張って苦しい
  • 腹痛や腰痛
  • 吐き気がある、気持ちが悪い
  • 食欲が無い、少ししか食べられない
  • 肌トラブルが起きやすい
  • イライラ・不眠・頭痛・肩こりなど

これらは最初のうちは軽めの症状かもしれませんが、便秘がひどくなればなるほど、同様に症状も重くなっていきます。
さらに便秘が続くことによる危険性にも気を配る必要があります。

便秘が続くと、腸内細菌に悪い影響を与えます。
便秘になると腸内で悪玉菌が増え、腸内環境の乱れを引き起こすとされています。

食べたモノのカスが腐敗し、ガスが発生しお腹がパンパンに張った状態が続くのです。

さらに便秘になると腸全体にの動きが悪くなり、食欲が無い状態を引き起こします。
また消化液が消化管の中にとどまりやすくなり、吐き気を催す可能性もあるのです。

さらに便秘によって内臓にトラブルが起こることで、血行が悪くなると考えられており、新陳代謝が滞り肌のハリやツヤが失われるとされています。
腸内に溜まった老廃物が腐敗し、そこから毒素が出ることで吹き出物やシミ、ニキビにも繋がるといわれています。

便秘の不快感から、イライラ・不眠・頭痛・肩こりなどを引き起こすこともあります。
便秘によるストレスから、さらに肌荒れが悪化するという悪循環に陥る可能性もあるのです。

便秘は便(老廃物)が長く体内に溜まった状態!まとめ

  • 便秘とは便(老廃物)が長期間溜まった状態
  • 便秘の定義は人によって症状が違う
  • 理想の排便は1日に1回、バナナ2本分の排便
  • 便秘が続くと、腸内細菌に悪い影響を与える

数日間排便が無い状態だけでなく、毎日排便があっても残便感などがあれば便秘とされています。

そのため排便回数だけでなく「便を十分かつ快適に出し切れているか」が重要です。

便秘になると、腸内だけでなく全身にさまざまな悪影響が出ます。
特に体重が急に減ったり、便に血が混ざっていたりする場合は要注意です。

「ただの便秘だし」と甘く考えず、便秘によって日常生活に支障が出ている状態であれば、市販の下剤でどうにかするのではなく早めに医療機関に相談しましょう。